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Oracle LMS Collection Toolとは 何か?

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監査プロセスでは、Oracle社は、ユーザーから使用データを収集するための一連のツールの実行をユーザーに要求します。Oracle LMSは、製品がどこにインストールされ、使用されているかを特定するための独自のツールを開発しました。そのひとつがOracle LMS Collection Toolで、使用状況データを検出して収集するように設計されています。

Oracle社は最近、新しい標準監査条項に、ユーザーはOracleのデータ測定ツールをサーバー上で実行し、その結果として得られたデータをOracle社に提供する必要があるという事項を追加しました。つまり、Oracle社の監査において、 同社の「LMS収集ツール」の使用を要求してくるということです。しかし、このツールは何でしょうか?どのように機能するのでしょうか?どのようなデータを収集しているのでしょうか?今回の記事は、これらの質問にお答えします。

Oracle LMS Collection Toolとは?

Oracle LMS Collection Toolは、Oracle ライセンスレビューまたはOracleライセンス監査を受けようとしているエンドユーザーに向けてOracle LMSが提供するツールです。このツールは、Oracle ソフトウェアがインストールされているサーバーのオペレーティング システム上で実行する必要があるスクリプトの集合体です。このLMS Collection Toolは、Oracle LMSが歴史的に開発したReview Liteスクリプト、CPUクエリ、Fusion Middleware(FMW)スクリプトなどのスクリプトを組み込んだシェルスクリプトです。これは、WindowsサーバーやUnix/Linux上にある以下のようなOracleソフトウェア製品群について、さまざまなインスタンスの使用状況データを検出して収集するように設計されています。

  • Oracle Database programs:
    • Oracle Database Standard Edition、Oracle Database Enterprise Edition
    • Oracle Database Enterprise Edition Options
    • Oracle Database Enterprise Edition Management Packs
  • Oracle Middleware programs: 
    • Oracle Application Server (Forms & Report, WebTier)
    • Oracle WebLogic Server、BEA WebLogic Server
    • Oracle WebLogic Server Options (SOA Suite, BPEL, Enterprise Repository, Service Busなど)
    • Oracle WebLogic Management Packs
    • Oracle Tuxedo programs(Tuxedo、Jolt、SALT、TSAM、WTC、Tuxedo Adapter、MessageQ)
    • Oracle WebCenter programs
  • Oracle E-Business Suite programs
  • Oracle Business Intelligence (Technology) programs

さらに、このツールには、さまざまなOracle Applications(Hyperion、PeopleSoft、JD Edwardsなど)に含まれるOracle Middleware programsの制限付き使用条件が満たされているかどうか、また、Internet Application Server、Forms & Reports Server、Business Intelligenceのすべてのエディションに含まれるWebLogic Server Basic programsに適用される制限付き使用条件が満たされているかどうかを検証するための特定のスクリプトが含まれています。

Oracle ソフトウェアがハードウェアまたはソフトウェアによる多重化を使用している環境の一部を構成している場合、ツールは個々のコネクションをカウントできません。このような場合は、いわゆる「多重化フロントエンド」でカウントされるユーザー数やデバイス数を宣言する必要があります。

スクリプトは誰が実行するのですか?

ツールを実行するには、オペレーティング システムとデータベース にアクセスするための必要なすべての資格要件が必要です。Superuser権限で実行することが情報を収集するための最も確かな方法です。

  • Windowsの場合は、次の情報が必要です。
    • Windows管理者のユーザ名とパスワード
    • WebLogic、Tuxedo、または OAS 管理者のユーザー名とパスワード
       
  • Unix/Linux の場合は、次の情報が必要です。
    • root/sudoユーザのユーザ名とパスワード
    • WebLogic、Tuxedo、または OAS 管理者のユーザ名とパスワード

Oracle DatabaseおよびE-Business Suiteの情報は、SQL*Plusを介してデータベース自体から収集されるため、このツールには、互換性のあるSQL*Plusがインストールされたローカルおよびリモートマシンのどちらかからデータベースに接続することが可能です。OS のユーザ資格情報を使用してローカルに接続し、データベース接続資格情報を入力してリモートに接続します。ツールはローカルで実行することをお勧めします。その場合、実行中のすべてのデータベースインスタンスを検出し、それぞれのインスタンスに対して、SYSDBAとしてインスタンスへの接続を検出します。

Real Application Clustersを利用しているデータベースインスタンスでは、実行中のすべてのインスタンスからデータベース情報を収集する必要があります。コンテナデータベースを利用しているデータベースインスタンスでは、すべてのプラグ着脱可能なデータベースとCDB$ROOTコンテナからデータを収集する必要があります。

仮想化テクノロジー(Sun Solaris Zones、IBM LPAR、Oracle VMなど)上にOracleプログラムがデプロイされている場合は、付属のCPUクエリで必要なデプロイと使用状況に関する情報を収集します。VMware上にOracleプログラムをデプロイしている場合、LMS Collection toolは必要な情報をすべて収集できるわけではありません。代わりに、PowerCliスクリプトを実行してVMwareインフラストラクチャの完全な概要を提供するようにOracle社から依頼されます。

マスキングスクリプト

機密情報の開示に関連するエンドユーザーの懸念を考慮して、Oracle社は LMS Collection Tool にマスキングスクリプトを追加しました。このPerlスクリプトは、SHA-256暗号ハッシュ関数を利用して、データファイル内に収集された機密情報をマスキングしています。マスキングできる情報には、スクリプトで収集したIPアドレスとユーザ名(データベースユーザ名、EBSユーザ名、WebLogicユーザ名を含む)が含まれます。その他、機密情報や、機密情報のためOracle社と共有したくない情報は、ユーザー自身が手動でマスクする必要があります。

結論

Oracle社の標準監査条項の変更により、Oracle社のデータ測定ツールをサーバー上で実行し、その結果の出力ログファイルを共有することが必要になりました。しかしこれらのファイルを完全に理解してライセンス要件が何かをユーザー自身が知ることは難しいでしょう。何故ならそのログファイルを解析するには、深い知識と分析スキルが必要になるからです。当社はそのお手伝いをいたします。

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コンプライアンス上および財務上のリスクを防ぐ

Oracle社にツールの実行結果を共有する前に、当社の専門家がその実行結果をデータ分析することで、監査中に発生するコンプライアンス上の問題を防ぎ、財務上のリスクを軽減することができます。SoftwareONEのOracleアドバイザリ サービスのコンサルティングについて、今すぐお問い合わせください。

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