優れた組織では、従業員がイノベーションを推進する力となっています。今日、成功している企業は、従業員がイノベーションを達成するために、コラボレーションの力を活用する方法を学んできました。しかし、イノベーションを可能にするツールの多くは、情報共有ツール、クラウドサービス、個人が日常的に使用する無数のアプリやサービスなど、セキュリティの脆弱性のギャップを引き起こし、データ損失につながる可能性があります。データ損失の原因として最も一般的でありながら見過ごされているのが、誤削除です。
従業員がメールボックスやOneDrive for Business、SharePoint Onlineからデータを削除したけれども、そんなつもりはなかった、あるいは後で気が変わったというような場合を「誤削除」と言います。これは、本連載の以前の記事で取り上げた悪意のある削除とは異なるものです。問題意識はあっても、このようなヒューマンエラーは、あらゆる業種、あらゆる企業の原動力となっている部分に存在します。言い換えれば、ヒューマンエラーは、あらゆるセキュリティチームにとって、解決できていない問題なのです。
幸いなことに、ユーザーが削除したファイルを復元するのに役立つサードパーティのソリューションが用意されています。このようなソリューションがなければ、誤って削除してしまったファイルは永遠に失われる可能性があります。たとえ、貴社がファイルを復元することができたとしても、数時間かかるかもしれません。その間、従業員はお手上げ状態で、ビジネスクリティカルなファイルにアクセスすることができないのです。しかし、バックアップとリストアサービスを利用すれば、ユーザーが誤って削除してしまった場合でも、バックアップデータを迅速にリストアすることができます。
ここでは、誤削除がどのように発生し、どのように対処すればよいかを詳しく見ていきましょう。