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Oracleのライセンス違反は何故起きるのか?

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高島田 正哉Oracle Services シニアコンサルタント
Publisher advisory

契約だけの縛り

私たちが知るソフトウェアは、一般に故意や過失によって不正に使用されることが無いようにライセンスキーやユーザー登録による管理などで保護されており、これはソフトウェアベンダーにとってビジネスを守るための必要不可欠な仕組みです。

ところがOracle製品にはそのような仕組みが基本的に備わっていません。しかも開発、テスト、プロトタイピング、デモンストレーション目的であればOracle社が一般に公開している「Oracle Technology Network (OTN)」サイトから必要な正式版ソフトウェアを自由にダウンロードして使用できるようになっています。有償のライセンスを購入する必要があるのは本番(商用)で使用する場合だけです。

そのようなOracle社はユーザーの使用目的が本番かどうかをどうやって判断するのでしょう?本番で使用されているかどうかが分かる仕組みでもあるのでしょうか?答えは「No」です。本番利用かどうかはある意味ユーザーの良心に任されています。極論を言えば、悪意で有償ライセンスを購入せずに本番で使用することができてしまいます。実に不思議なことですが、果たしてそのような保護の無い仕組みでビジネスが成り立つのでしょうか?

Oracle社のユーザーはそのほとんどが企業(法人)です。企業が相手とビジネスを行う場合、必ず契約を締結します。Oracle社もユーザー企業との間で契約を交わすことで、そのソフトウェアを使用する権利を与えており、それ以上でもそれ以下でもありません。ここで契約書とはOracle社が定める基本契約書(Transactional Oracle Master Agreement)と注文書(Ordering Document)の2つです。この2つのセットにはそのソフトウェアの使用に関する条件(使用許諾条件)が記載され、実はOracleの製品はそれらの契約書によってのみ保護されています。これは逆に言うと契約書が無ければそのソフトウェアをどのような条件で使用してよいのか分からないことを意味します。つまりOracleにとって基本契約書と注文書のセットは、そのソフトウェアをどのようにユーザーに使用させるかを示した唯一無二のものであり、この契約書で縛ることでソフトウェアを保護するという仕組みを採用しています。

契約書での縛りが起こす問題

契約書はOracle社とユーザー双方が合意したものですので、その内容を齟齬なく正しく解釈してソフトウェアを使用することはユーザーの責任です。事実Oracle社は一般に公開しているサイトで「ライセンスの権利を理解し、その権利を遵守していることを確認することはユーザーの責任である」と明言しています。つまりユーザーは契約書に記載された使用許諾条件をはじめ、定められているあらゆる条項を正しく理解し遵守しなければならず、もし誤った理解や解釈の下で使用した場合、それは直ちにコンプライアンス違反を引き起こします。

コンプライアンス違反を起こす要因

コンプライアンス違反を起こす要因は、ライセンス契約の使用許諾条件を正しく理解していないこと、そしてそこから紐づくOracle社が別途定めるライセンス定義等の理解不足または誤解にあります。特に注意しなければならないのは「なぜ、そのような条文が明記されているのか?」という文言の本質部分です。どのような契約書であれ、契約書は完全ではありません。しかしそこに書かれている条文は、何かの要因があったからこそあえて明記されています。つまりその条文が記載されるに至った背景を知ることができれば、その条文の本当の意味が理解できるわけです。しかし実際にその内容が理解できるまで交渉を行うユーザーがどれだけいるでしょうか?この交渉を行わず、曖昧かつ自己流の解釈のままソフトウェアを使用することこそがコンプライアンス違反を起こす真の要因だと言えます。

まずは当社へご相談ください

とは言え契約交渉は難しく厄介な作業です。またそのためだけにユーザー自身、多くの時間を割くことは難しいでしょう。ライセンスコンサルタントはライセンスの専門家です。ライセンス契約の条文一つひとつの真意とその背景も熟知しています。当社にはライセンスの深い知識と経験をもったコンサルタントが多数在籍しています。自身で契約内容の理解に時間を費やすよりもライセンスコンサルタントのサポートを受けて理解を進めることで、現状におけるコンプライアンスリスクを容易に洗い出すことができます。まずは当社にご相談ください。ライセンス契約の深い理解とOracleライセンスに関するナレッジを習得するためのサポートを致します。

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Oralceアドバイザリサービス


SoftwareOne Oracleアドバイザリサービスは、コスト削減の機会に関する分析サービスを提供し、Oracle契約の財務、運用、または法的リスクに関する理解を深める支援をいたします。

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